「美女と野獣」という映画をご存知でしょうか。
このディズニー映画は非常に人気があり、一度は観たことのある方も多いと思います。
この「美女と野獣」というタイトルは、英語では
「Beauty and the Beast」
となります。
日本語タイトルの「美女と野獣」と同じくらい有名で、日本人にも馴染みのあるものですよね。
しかしこの英語タイトル、気になることはありませんか?
“野獣”にあたる“Beast”には”the”が付いているのに、
“美女”にあたる“Beauty”には、なぜ”the”が付いていないのか
今回は、
「Beauty and the Beast」の“Beauty”になぜ”the”がついていないのか?
という疑問について、考察を含め解説していきます。
英語の冠詞は非常に難しく、ある程度のルールはあるものの、ネイティブの方々も文章の雰囲気や、前後の繋がりによって感覚で使っていることも多いようです。
この記事に記載されていることも100%の正解ではなく、私自身の憶測や解釈で多く含まれています。
あらかじめご了承ください。
“the”に関する説明
“the“という単語は、品詞の中の「冠詞」という分類に属しており、以下のように定義されています。
- 名詞の前に置かれる
- その名詞が”特定のもの”か、”不特定のもの”なのかを表すもの
さて、”the”の使い方をおさらいしたところで、本題に戻りますが…
やはり、なぜ美女の方に”the”がないのかはわからず。
そこで、アメリカで生活していたことのある二人の友人に聞いてみることにしました。
①逆の発想!野獣の方に“the”が付いている!
なぜ美女に”the“がついていないのかとばかり考えていましたが、実は着目すべき点は“Beauty”(美女)の方ではなく、“Beast”(野獣)の方だったのです。
美女に”the”がついていないのではなく、野獣の方に”the”がついていたのです
この映画の主人公の野獣は、ただの野獣ではなく、“特別な”存在です。
この”特別”という点を強調するために、特定のものを表す”the”が”Beast”に付いているという解釈です。
②”Beauty”が主人公ベルの特徴を表しているから
また、別の友人に聞いてみたところ、
“Beauty”が主人公であるベルの特徴を表しているため、”the”がつかないのでは、
とのこと。
また、物語では以下のような言い回しがよく使われると思います。
「昔、あるところに少女が住んでいました。その少女は美しい容姿をしていましたが、…」
この文章からわかるように、「あるところに少女が~」と印象が薄く表されており、”その”少女と特定していないことがあります。
このことから、Beautyに”the”が付いていないのでは、という解釈もあるようです。
③”ありふれた”見かけの美しさと、内面の”醜さ”の強調
既にご説明してきた、英語の文法ルールから推測した2つの仮説とは異なる、個人的な解釈ですが、
“ありふれた”見かけの美しさと、内面の”醜さ”をそれぞれ強調するために、使い分けているのでは、
と私は考えています。
「Beauty and the Beast」というタイトルは、もちろん映画に出てくる「美女」と「野獣」を指しているのだとは思いますが、もう一つのテーマである
「ありふれた見かけの美しさと、人間の内部に潜む醜さ」
を表しているのではないでしょうか。
“ありふれた”ということを強調するために、あえて”Beauty”には”the”を付けず、
“醜さ”を強調するために、”Beast”に”the”を付けている
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